23.トイレ事情
もし、食事をしながら読んでいる人がいたら、食事が終わってから、読んでいただきたい。さもないと後悔することになるかもしれない。
よく日本人と話をしていて聞かれることの一つがトイレのことである。旅行のガイドブックにも載っているが、確かにひどいところもある。といっても街の中や最近建った建物のトイレは日本と何も変わらない。
街の中にあっても昔の建物だったり、田舎のほうでは日本にもあるが、まだ汲み取り式のものもたくさんある。
よく言う、穴だけ掘ってあるものもあるらしいが、私はまだ見たことがない。
私が勤めていた鶴岡の学校ではドアも便器もないトイレで(もちろん大の方はある)、壁に当て、流れていくだけのものだった。もちろん女子トイレはドアで仕切られている。
青島の日本語学校は街の中心にあったが、校舎が昔からある賓館(日本の民宿のようなもの)だったため(今は学校の校舎がある)なかなかすごかった。
男女どちらのトイレも造りは同じで(もちろん別々)ドアの奥に和式の便器があり、そのドアは、かがむとちょうど首のところから腰のところまで隠れるようになっている。要するに顔と肝心なところは丸見えなのだ。しかも便器の向きは日本と同じなのだが、なぜかドアの方を向く習慣があるらしく、何も知らずに入って行くと、剥き出しになったものが下から見え、同時に目が合う。向こうは意外と平然としているのだが、こっちは慣れていないせいもあり、目のやり場に困る。
公共の場では、きちんと日本と同じようなドアがあり、こんな気まずい思いはしなくて済む。ただ、場所によっては男女同じトイレもある。
鶴岡を離れる際、ハルピンまでバスで六時間半ぐらいかけて南下し(列車だと十三時間)、ハルピンから北京まで列車で十二時間(飛行機だと二時間ぐらい)かかる。その鶴岡からハルピンまでのバスに乗ると、途中三時間ぐらい走ったところで休憩をする。そこの公衆トイレがすごかった。トイレに近づくにつれ、何ともいえない臭いが漂ってくる。中に入ると、あるはずの便器が見当たらない。辺り一面、汚物だらけである。どのくらい前から汲み取ってないのかは知らないが、これで二回目だった。(もう一箇所見たことがあるが、そのときは初めてでさすがにビックリした)こっちも我慢できないので、呼吸を止めて、便器らしい場所に飛ばした。
昔小学生の頃(もちろん日本の学校)、友達と学校のトイレ(まだ汲み取り式だった)の汚物入れの蓋(マンホールのようなもの)を取って遊んでいたときのこと、何を思ったか、その友達が長さ一メートルぐらいの草を引っこ抜いて持ってきた。その草を汚物の中へ入れ、ひとしきりかき混ぜた後、ブンブン振り回し始めた。私は必死に逃げた。が、間に合わず、汚物まみれになったことがあるが、一瞬、その光景がフラッシュバックになって思い出された。
今は改善もされ、よくなってきてはいるが、場所によってはまだこのようなところもある。
観光地や街の中の公衆トイレ、駅のトイレなどでは、だいたい有料であるところが多い。一元(約十五円)のところもあるが、だいたいその五分の一の二角ぐらいがほとんどである。
中国で、街の中を歩く際は、小銭を用意しておくことをおすすめする。
また、中国で何度か列車に乗ったが、あるとき、ゲートが開き、乗り始める直前にものすごくトイレに行きたくなり、列車に乗ればトイレもあるし、我慢しようと思い、列に並んで、列車に乗った。すぐにトイレに行ったが、鍵がかかっていて開かない。職員に「走るまで待て」と言われ、しょうがないので我慢しながら、走り出すまで待ったことがあるが、膀胱がパンパンだった。
中国の列車では、乗ってから、走り出すまで十分ぐらい時間がある。その間トイレは使えない。走り出す直前に職員がホームに向かって敬礼をする。ガタンゴトンと動き始めてやっと職員が一つひとつ鍵を開けてくれる。
中国に限ったことではないが、列車で旅行をするときは、事前にトイレに行っておくことをおすすめする。ちなみに無料である。
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