19.輸入品と外国人値段
中国では日本と違い、輸入品が恐ろしく高い。黒龍江省の鶴岡にはあまり輸入品自体がなかったが、もちろん北京や青島には日本と変わらないぐらい何でもある。中国では百年の歴史が見られるという人もいる。鶴岡では高級車が走っている一方で、まだ馬が走っている姿も見る。しかし、あなどってはいけない。北京の中心にあるカラオケ店がすごい。高層ビルの全てがカラオケで、その一部屋一部屋にトイレがついているような世界最高峰の物もたくさんある。
青島にはもちろん中国人が一番多いが、その次に韓国人、次いで日本人が多く住んでいる。その街の中心に日本でもお馴染みのフランスの大手スーパーや日本の大手スーパーなどがある。そこに売ってある輸入品の値段を見てビックリした。イタリアのパスタ類などのコーナー、韓国の食品コーナーなどの横に日本食品コーナーがあり、インスタントの味噌汁や飲料から化粧品までいろいろな物が売ってある。そんな中、身近な物として、缶コーヒーとアイスクリームがある。
缶コーヒーは日本ではだいたい百円から百二、三十円の間で売られているが、そのスーパーでは、ある缶コーヒーが二十元(約三百円)、日本では百円のアイスが三十元(約四百五十円)だった。かなりの高級品である。さすがに手が出なかった。有名コーヒーショップにもちょくちょく行ったが、コーヒーが一杯で三十元ぐらいする。こういった輸入商品は下手すると日本で買った方がよっぽど安い。
この、ある種のブランド志向のような値段の高さには理由がある。学生が教えてくれたのだが、中国国内の製品にはもちろんいい物もたくさんあるのだが、特に電気製品はすぐに壊れることが多い。私が鶴岡で買った炊飯ジャーは一週間で中の釜のグレーの塗料部分が全部剥がれ、ごはんがグレーになったぐらいである。(その次に買ったジャーは一日で壊れた)そのように質の悪い物もかなり出回っている。逆に日本の製品には信用があるため、もし同じ値段だったり、安かったりしたら、みんな日本の製品を買う。そうなると、中国の製品は全く売れなくなり、国内製品への需要が激減してしまう。だから、輸入品には高すぎるほどの値段がついているのだという。
あと、外国人や地方出身者値段というものもある。青島にはなく、鶴岡は外国人や地方から来る人もいないのでもちろんなかったが、北京のけっこう大きなデパートなどでは時々ある。外国人や中国の地方出身者で、物価を知らない人に高い値段で売るのだ。例えば、アクセサリーなどで、三百元(四千五百円ぐらい)という値段を見、日本人の感覚だと、(特に旅行だと)そんなに高くないし、買っちゃおうという気になってついつい買ってしまう。しかし、普通の中国人は当然、値切るのが習慣なので、そこから値切り始め、だいたい十分の一の三十元(四百五十円)、下手すると三十分の一の安さにもなる。値切るのが当然であることを日本人も知っていれば、何のことはない。普通の中国人と同じ値段で買える。
これはある意味、しょうがないで済むところもあるが、もっとたちが悪いのは、有名な観光地の食堂などに、タクシーの運転手が親切?に連れて行ってくれる。食べている間、メーターを回さず、待っていてくれる。客は何て親切なんだと感激する。その食堂で手渡されるメニューには値段がない。しかし、気にすることもなく注文する。魚一匹とご飯一杯を頼んだだけで、三百元(約四千五百円)取られる。食べた後で抗議しても後の祭りだ。高い値段が書かれたメニューをわざわざ見せられ、「ほらね。問題ないでしょう」という態度で迫ってくる。しょうがないのでその額を払い、タクシーに戻ると、こっちの気持ちを察したかのように運転手が「どうしたのか」と聞いてくる。客は当然そのことを話すだろう。すると運転手は怒る、いや、怒った振りをする。そして店に文句を言いに行く振りをして、分け前をいくらかもらう。
お茶を五種類ぐらい買っただけで三千元(約四万五千円)ぼったくられたと嘆いていた人もいた。この値段はある高給取りの人の一ヶ月の給料と同じである。ここまでくると、騙され方にも程があり、どうしようもないが、特に初めての旅行などでは、余裕がない上に、完全に開放されていて、隙だらけになっているので、仕方ないのかもしれない。
野菜市場などの、もともと安い所やスーパーなどでは別として、中国で買い物する場合は、値切るのが普通である。それを知らずに日本の習慣そのままで旅行に行くと、かなりの散財をすることにもなる。
また、そう易々と他人を信じるとろくでもないことになる。
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